2005/6/19
K:“おんがくだんぎ”もだんだんネタ切れになってきたんだけど、なんか考えてみるわね。理論編を続けようと思ったけど、専門用語のオンパレードになってしまうし、楽典その他のハウトゥーもので良いのがいっぱいでてるから、ここで書くこともないと思うの。しかし、理論があってはじめて、理論から脱却できるわけだし、いままでにない斬新なものが生み出せるのは間違いないのよね。だから今日は違うテーマの“おんがくだんぎ”を書こうと思うの。・・・とはいうものの、なにを書こうかしら・・・。・・・そうね、ちょっとした用語を書いてみようかしら。
おんがくだんぎ〜用語編
パート壱〜理論用語
・五度圏:ある音を基準として完全五度ずつ並べてできるコード循環理論の基準となるもの。上行と下行あわせてもとにもどるといったものである。“C”を基準として実際に並べてみると上行が“C→G→D→A→E→B→F♯”下行が“C→F→B♭→E♭→A♭→D♭→G♭”となる。F♯=G♭なので“C”から出発して“C”に戻るのである。平行調(ex:C→Am)、同主調(ex:C→Cm)のみならず属調(ex:C→G)、下属調(ex:C→F)の転調及びスケール選びに役立つ。
・ドミナントモーション:X7→TもしくはX7→Yのコード進行のことだが、ほとんどの場合X7→Tのことを言う。つまり終止型を意味する。InCに於いてはG7→Cという進行になるが、ジャズ的発想ではメジャー系の転調、進行に使われる。例えば、G7→Cからスタートするとした場合、G7→C(C7)→F(F7)→B♭(B♭7)→E♭(E♭7)→A♭(A♭7)〜というふうに、先述の五度圏を参考にすると次々にメジャー系の転調をしていくことができる。
・ツーファイヴ:Um7→X7のコード進行のこと。進行はドミナントモーションとほとんど同じだが、サブドミナント(W)の代理コードのUm7とX7を連結することによってできるコード進行。マイナーコードを使用した転調に使われる。例えば“InC”においてUm7はDm7。これからスタートすると、Dm7→G7→Gm7→C7→Cm7→F7→Fm7→B♭7〜のように転調していけるわけである。
理論用語まとめ:上記の三つが代表的なものだが、ほんのさわりの部分であることをお断りしておく。これ以外の用法や意味、用語については専門書のほうが詳しいのでそちらを参考にするとよいが、今回はあくまでも、作曲における転調にポイントをおいて書いてみた。
パート弐〜アンサンブル用語
・コールアンドレスポンス:同一フレーズの呼応のこと。ロックなどにおいては、多くはギターとヴォーカルの掛け合いというかたちでみられる。ディープパープルの“ストレンジ・カインド・オブ・ウーマン(ライヴ・ヴァージョン)”で聴くことができる。最近では拡大解釈で4バースなどの短いアドリブフレーズでの掛け合いなどもこう呼ばれることがある。
・ライドオン:演奏者と観客が一体となってノっている場合に掛けられる言葉。最近は本当の意味合いで掛けられることが少なくなった。
・ピックアップ:メロディーラインを導入するための比較的短いフレーズのこと。なお、1小節以内のものはリードインと言ってアウフタクト(弱起)によるものがほとんどである。
・アドリブ:自由にと言うラテン語のアドリビティウムからきた言葉。コード進行やスケール(モード)によって、自由に即興演奏をすること。最近ではソロのことと勘違いする傾向にあるようだが、意味合いは違う。ソロとは独奏のことであり、アドリブはソロを構成するためのファクターのひとつである。
・オブリガート:メロディーラインを引き立てるために、メロディーと同時に演奏されるパート(フレーズ)のこと。助奏ともいう。アドリブ的な要素はあるが、あくまで助奏であるから、メロディーラインのジャマをしてはいけない。最近ソロ感覚でオブリガートもどきをする族(ギタリストに多い)が増えてきている。まことに嘆かわしい。
アンサンブル編まとめ:まだまだたくさんあるのだが、書ききれないので一旦終了する。特に最近ワヤになってるのが、アドリブ、ソロ、オブリの区別がほとんど無くなってること。オブリと称してヴォーカルのジャマをしたり、アドリブと称して曲と無関係なフレーズを延々と弾いてみたり、というのが異常に増えているようである。かのロイブキャナン氏が“テクニックを少し落として、もっとフィーリングが欲しい”と言っていたのがよくわかる時代(年代?)になったようだ。
K:今日はここまで。やっぱ疲れるわね。あとはゆっくり休も〜っと。