2005/6/12
K:今日の“おんがくだんぎ”は、ちょっとした音楽理論を書いてみるわね。理論というと、特にポピュラーをやってる連中なんかで、『音楽理論なんて必要ない。必要なのはセンスだ。』とか言ってるおめでたいヤツがいるようだけど、あたしの知ってる範囲に於いては、全滅といっていいくらい没落してるわね。尤も、知ってても没落するヤツもいるけど。ただ、知識というのは意外なところで役立つことが多いから、見につけておいて損はないと思うのね。
コード理論
コード理論といってもここでは複雑なことは書かない。初歩の段階のことをかいておく。尚、混乱を避けるため、メジャーキーは“C”、マイナーキーは“Am”で統一する。
・トニック
キーを決定するコードのこと。メジャーキーでは“C”、マイナーキーでは“Am”に相当する。
・ドミナント
トニックの5度上にできるコードで、次に解決を必要とするもの。基本はトライアド(3音構成和音)であるが、より特徴をだすために、7thが追加される。メジャーキーでは“G7”、マイナーキーでは“Em7(ナチュラルマイナースケール上)”と“E7(ハーモニックマイナースケール上)”に相当する。
・サブドミナント
トニックの4度上にできるコードで、ドミナントの修飾的役割と解決に向かう両方の要素をもつ。7thを伴う場合もある。その場合、よりドミナントに向かおうとする感じが強くなる。メジャーキーにおける7thはスケール外の音になるが、ブルーノートとなるため、ブルース進行などでよく使われる。メジャーキーでは“FないしF7”、マイナーキーでは“DmないしDm7”に相当する。
・代理コード
上記のトニック、ドミナント、サブドミナント以外にもオクターブは7音で構成されているため、ほかにもトライアドができる。ただ、3つの音のうち2つまでが同じ音となるため、特徴が似てくる。厳密な呼び名がそれぞれあるのだが、難しくなるのでここでは書かない。この代理コードを知っていると知らないとでは作曲時におけるコード進行のヴァリエーションがかわってくる。
メジャーキーに於ける代理コード
・トニック:Am(Am7)、Em7
・ドミナント:Em(Em7)、Bm7−5(G7に対する代理)
・サブドミナント:Dm(Dm7)、Bm7−5
12音階においては他にも存在するが、ここではナチュラルスケールにもとづく。なお、Em、Bm7−5に関しては連結されるコードによってカテゴリーが変わる。
マイナーキーに於ける代理コード
・トニック:C、FM7
・ドミナント:CM7、G、G#m7−5、(ハーモニックマイナースケール上)
・サブドミナントF、Bm7−5
代理コードは他にも色々存在するのだが、全部書いてるとキリがないことに気付いたので、基本的なものしか書いてない。要するにコードの構成音がふたつ以上合致すれば、代理コードとして使えると思えばいい。ただし、連結されるコードによっては働きが変わるので、注意が必要となってくる。
Y:K様。紙面の都合上、これ以上長くなるのはどうかと思うんですが。
K:仕方ないわね。内容的には全然解決してないけど、そう言われるとヤメざるをえないわね。じゃ、今回はここまでにしとこうかしら。