2005/5/22

「おんがくだんぎ〜ギター特殊奏法Vol.1」 

K:ナレーターは今日は来ないわよ。原因不明の重症を負ってしまったのよね。だから、あたしがかわりに書くことになったってわけ。さて、今日は・・・、わかってるわよ。日曜日だもんね。おんがくだんぎでしょ。そう決まってるわけじゃないけど、日曜日の恒例になってるし、作者ほか誰も居ないんだからそういうことでしょう。というわけで、今日はコレをいってみましょう。
 ギターだんぎ〜特殊奏法編
一概に特殊奏法といっても多種あるので、ここでは書ききれないかもしれないが、思いついたものを書いてみる。ここで触れる特殊奏法は、ギターでなければできない間の取り方が根本となっており、個々の奏法は殆ど基本的なフィンガリングテクニックから生まれたものが多く、当然それらをマスターしておく必要がある。ベンディング、ダブルベンド、プリングオフ、ヴィヴラート、ハンマリングオン、スライドのテクニックは必須である。また、曲やフレーズの何処に使うかというセンスも養う必要がある。というのは、ギターにおける特殊奏法の殆どは、特徴的だったり、はたまたスケールや和音における楽理的な部分を逸脱するものが多いため、曲やフレーズを壊してしまったり、ただ単に騒がしいだけといった内容になってしまいやすい。様々なギタリストがどういった場面で使っているかを研究する必要がある。
 1、オクターブ奏法
オクターブはなれた2音を同時に弾く奏法。ジャズなどで多用されていたが、ポップスでもほぼポピュラーになってきた感のある奏法である。この奏法のカギはミュートとピッキングである。ピッキングは、指を使う、ピックと指、ピックのみの三通りある。前者二通りはオーソドックスな方法で、音量が出ない、速いフレーズは難しいなどの面をのぞけば、ほぼ理想的である。しかしパーカッシブなニュアンスや速いフレーズを弾く場合はピックのみで弾くことになるのだが、その際、ミュートをしっかりしてないと、関係ない音まで出てしまうので注意が必要である。中指と小指で押えて、人差し指を6弦全部に這わせてミュートする方法がよい。サウンドはあまりドライブさせないほうが綺麗にキマる。
 2、ボトルネック奏法
最近はスライド奏法と言う方が一般的であるが、要はスライドバーを使う奏法のことである。もともとはハワイアンギターの奏法であるが、それをギターに転用したもので、ウイスキーの瓶の口を切り取って使用したことからこの名前がついている。この奏法のポイントは、ミュート、ポジションチェンジ、スライドバーの位置の三つである。まず、ミュートは弦からバーを離した時に出る解放弦の音を止めることである。ためしてみるとわかると思うが、バーを離すとノンピッキングでも開放弦が鳴ってしまう。これはある種のノイズともとれるため、消してしまわなくてはならない。フォームとしてはバーを薬指にはめて人差し指と中指で6弦全部をミュート、小指でバーの当たっている弦より下の(高い)弦をミュートする。小指のミュートは手の構造上どうしても下の(高い)弦にバーが当たってしまうので、それを止めるのである。ポジションチェンジはこの奏法の性質上、幅広い動きがでてくる。そのため素早く正確なポジションチェンジが重要となってくる。最後にバーの位置であるが、フレットバーの真上に弦に対して垂直に当てるようにする。そうしなければピッチが狂ってしまう。サウンドはサスティーンが得られるようなセッティングがよいが、あまりドライブさせるとバーによるスクラッチノイズが目立ってしまうので注意が必要。
 3、ピックアップヒッティング奏法
その名の通り、ピックアップをピックで叩く奏法である。軽めのオーバードライブサウンドのほうがよい。
 4、ピックアップフレット奏法
ピッキアップをフレットにみたてて高い音を出す奏法。フロントピックアップをフレットにみたてるのがふつう。セレクターはミドルかリアにあわせる。ストラトタイプのシングルコイルピックアップがやりやすく、ハムバッキングピックアップではやりにくい。痛いような高音が出る。サウンドは高音域を絞るほうがよい。ドライブサウンドでもクリーンサウンドでもよい。
 5、チッキンピック奏法
ピッキングの特殊奏法。主にピックと中指をつかう。中指で弦をミュートしてピッキングし、そのあとミュートしていた中指で更にピッキングする。1音につき二回ピッキングするのだが、ピックと中指がほぼ同時に近い感じでピッイングするのがコツである。カントリー系の曲で使われることが多い。サウンドはクリーントーンのほうが特徴がでる。
 6、ピンチアウト奏法
ピッキングの特殊奏法。弦を引き上げてフレットボードにぶつける感じで音をだす。チョッパーベース奏法のプルの基になった奏法。サウンドはクリーントーンがよいが、軽めのドライブサウンドでもよい。過度なドライブサウンドは奏法の特徴を壊してしまうのであまりよくない。
 7、スイッチング奏法
ギブソン系の配線構造のギターによる奏法。どちらかのピックアップのボリュームをにしてトグルスイッチでピックアップを切り替えると断続的に音が出たり消えたりする効果が生まれる。コードでも単音でもよい。特に単音でアームなどを使ったりすると面白い効果が得られる。サウンドはドライブサウンドが適している。
 8、スイッチング奏法(スタンバイスイッチ使用)
ストラト系の配線構造のギターでは先項の奏法は不可能であるが、チューブアンプ使用時にはスタンバイスイッチを使って似た効果を得ることができる。但し、アンプに近づくためハウリングの危険性があるが、先項の奏法とは少し違った効果が得られる。サウンドは先項と同じである。
 9、ホイッスル奏法
グリッサンド奏法の変形版のようなもの。ある音を弾いてその後、素早くグリッサンドをする。高い方でも低い方でもよいが、弾いた音が消える前に素早く行わなければならない。またグリッサンド後は音を止めること。低音弦でワウなどを使うと人や動物の声のような擬似音がつくれる。ミュート奏法と低音弦でのホイッスル奏法(グリスダウン)を合わせると、フージョン系のギタリストがよくやるフレーズ(?)が再現できる。サウンドはサスティーンが得られる様なセッティングをする。
 10、ランダムハーモニクス奏法
任意の弦の任意の場所を左手でタッピングしながら、右手でその弦に触れると様々なハーモニクスがでてくる。右手のポジションを替えることによって更に複雑かつランダムなハーモニクスが得られる。サウンドはドライブサウンドのほうがハーモニクスがのりやすくてよい。
K:今日はここまで。やっぱ全部書けなかった。次回もまた特殊奏法てんこもりでいくからね。

 

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