2005/5/15

「おんがくだんぎ〜今日は長いですよ」 

ナレーター:今日こそはおんがくだんぎ〜ドラム編を終わりにしたいと思います。
K:まるで、あたしのせいで延びたって言いたげね。
ナレーター:・・・、では、ど〜ぞ。
 おんがくだんぎ〜ドラム編
 上級編
それぞれの楽器によって叩きわけする。どういうことかというと、それぞれの音色や大きさなどによって出てくる音がかわってくる。それによって生じる音量バランスの差等を考える。特徴について書いてみる。
 スネアドラム
もともとマーチングパレードなどで使用されていた響き線を持つ太鼓。一般的には口径14インチ、厚みが5.5ないし6.5インチ。最近では口径が10〜15インチまでのもの、厚みが3〜8インチのものまでとヴァリエーションも豊富である。ドラマーの音的個性を発揮するのに最も適したものである。響き線によってエッジの効いた音がだせるので、まわりの音に埋もれにくく、タイトからルーズまであらゆる音作りが用意にできる。その反面、床振動をともなう音(ベースなど)の影響を受けやすく、ノイズを発生する。特にレコーディングに於いては、これが致命的になってしまう為、研究が必要である。ドラムの中心的存在たりうる非常に重要な楽器である。
 ベースドラム(バスドラム)
スネアドラムと同等、あるいはそれ以上に重要な楽器でフットペダルによって演奏する。ドラムがだすビートの中核を担うものである。よくビートの中核はシンバルであるという誤解があるが、ジャズを除いては基本的にバスドラである。口径は18〜26インチ、厚みが14〜18インチくらいのラインナップがなされている。音楽内容や演奏会場によってサイズを変更する必要がでてくる。たとえば口径26インチのバスドラでボサノバをやっても雰囲気がでないし、18インチでヘビメタをやっても迫力のないものになってしまう。すべてではないが、ジャズなどは、18インチで厚みのないものを使って、タムの延長のように使用する。ロックの場合は、22〜26インチで厚みのあるものを使用する。オールラウンド的なものでは20〜22インチで厚みが14〜16インチといったところである。
 タムタム
フィルイン(オブリガート)などでヴァリエーションをつける為のものである。もともとマーチングなどで、テナードラムの名称で使用されていたものである。ヴァリエーションが豊富でシングルヘッド使用のメロタム、キャノンタムや、ピッチ可変タイプのロートタムなど様々である。主に中低域を担当し、メロディック奏法などには欠かせないものである。スネアに比べて音が前に出にくいので、まわりの音に埋もれやすい。尚、正式名称はトムトムで、なぜか日本でのみタムタムと呼ばれる。本来タムタムというのはチャイニーズ・ゴングのことである。
 フロアタム(バスタム)
上記のタムがスタンド及びバスドラ・ブラケットによってマウントされるのに対して、直接フロア(床)に専用レッグ(足)によって置かれるものである。上記のタムとはマウント方法が違うだけで基本は同じである。サイズが大きめなので、昔スタンドにマウントできなかった為、レッグをつけて床においたのである。主に低域を担当する。口径14〜18インチ、厚みが14〜18インチのものが一般的である。
 トップシンバル
最近では使わない言葉だが、ライドのことだと考えればよい。おもにスティックのチップによって叩く。ビートをきざむのに重要なもので、特にジャズに於いてはこれから出てくる音、ビートによってドラマーの真価が問われる。厚めのものが使われる場合が多い。
 サイドシンバル
これも最近では使われない言葉だが、ライドに対してクラッシュやエフェクトなどのシンバル群のことを言う。主にヘリを叩いてアクセントをつけたり特殊効果を得たりする。但しアクセントの場合、単体では殆ど無意味で、バスドラ、スネアなどと同時に叩くことによって効果が出る。エフェクトの場合、ライドのかわりに叩くことによって派手さを得たり、雰囲気に変化をつけるのに効果がある。その反面、無意味な騒がしさをもたらす場合がある。
 ハイハットシンバル
二枚のシンバルを足での操作によって、合わせたり離したりすることでアクセントなどの多彩な奏法や効果を可能にしたもの。ディスコ・ビートなどには欠かせないものである。また、フィルインなどのリズムキープやアクセントなどにも重要かつ効果がある。スティック及び足の両方の奏法ができる。
以上が大まかな特徴だが、例えば、スネアをオープンリムショットなどでガンガン叩いた後タムに移行した場合、両方の楽器で音量差が生まれ、タムのフレーズが全く出てこないといったことが起こる。つまり、タムはスネアほどエッジの効いた音ではないため、スネア以上に強く叩く必要があるということである。よくみかけるのが、フィルインの際、タムのフレーズが聞こえなくて、一瞬ドラムが居なくなったように間が空いてしまう。そういったことを減らす意味からも、それぞれの楽器の音色や音量バランスについて普段から注意しておく必要がある。効果的な練習方法としては、両手両足の同時打ちがよい。テンポを決めて手の楽器をいろいろ変えてみる。ウォーミングアップにも最適である。
 悶絶絶叫編
奇数連符をマスターする。偶数連符ばかり練習していると、手順がワンパターンになる。つまり、利き手からのスタートで逆手での解決というフレーズしかできなくなってしまう。それを解決するのに逆手順の練習と並行して奇数連符も練習する。難易度は偶数連符の比ではないが、コツとしては、自分なりのキーワードみたいなのをつくってそれにあわせる。たとえば、某ヘビメドラマーの場合、5連符は『このやろう』、7連符は『おまえはアホか』、9連符は『バカだバカだバカだ(16分3連の9連符)』『なんだとこのやろう(通常の9連符)』(おのおのアクセントの都合上変える場合がある)というふうに、くだらないキーワードを思いながら叩いている。因みに、このパターンは変拍子にも有効であると、あやつは言っている。ひとつのアイデアとしてこういう方法もある。あと、オルタネイトスティッキングができてないと(なんのことはない、ひとつ打ちのスティッキングのことである)奇数連符はまずムリである。また、理屈より体で覚えるほうが重要である。
 補足
1:スティックの選び方。
演奏する内容によってかわる。パワー重視なら、太くて重いもの。材質的にはオークがいい。チップは丸いもの。繊細なスティックワーク重視なら細くて軽いもの。材質的にはヒッコリーがいい。チップはやはり丸いものがいい。オールラウンドなものとしては、材質はヒッコリーかメイプル、チップは細長いものがいい。しかし、自分の手に合ってるかどうか、左右の重さが均等かどうか、(均等じゃない場合、音色が左右で変わったり、変なクセがつく場合がある。秤で実際に計ってみるのがよい)曲がってないか、(平らな床で転がせばわかる)バランスポイントに狂いがないか、(スティックの末から1/3のところを軽くつまんで叩いてみる。その位置でいちばんバウンスがよければOK)など念入りにチェックしなければならない。初心者の場合、軽くて細い、丸チップのものを選ぶほうがよい。テクニックとパワーがついた状態で変えても遅くない。
 2:パワー
この項目は悶絶絶叫編改の部類に入るかもしれないが、ここでいうパワーとはフルショットで叩くためのものではなく、楽器移動を素早くするためのものである。楽器移動は速いテンポやフレーズの場合、よりスピードが必要で遅ければモタりの原因になったり、フレーズに制約ができてしまう。また、移動のスピードが早くても、勢いで叩いた場合、汚い音になってしまったり思ったほど音がでないといったことが起こる。よくみかけるのに、クラッシュを勢いで叩いて、シンバルが揺れまくってるのがあるが、音が悪いため見た目ほど通らないでアクセントにならないのがある。これを解消するには勢いで叩かないことであるが、そうするためにはフルショットで叩く以上にパワーが必要になる。素早く移動して叩く前にその勢いをころして確実にヒットさせる。つまり素早く移動する力と寸止めにする力が必要になってくる。こうして叩いた場合、シンバルはあまり揺れないが確実にアクセントになる音が出せる。練習方法としてはタムやシンバルの音を出さずに揺らす一種のアテブリを行う。つまり、スティックで押すだけであるが、確実にその楽器のところにスティックが行ってないと出来ない。もちろんインテンポで、である。相当な筋力とスティッキングテクニックを要するものである。このパワーをつけることが重要である。
K:終わったわよ。
ナレーター:いやー、お疲れ様でした。
K:おんがくだんぎもこれで終了ね。
ナレーター:ところが、ギターだんぎパート2やキーボード、その他のリクエストもありますので、そのあたりもよろしくです。
K:いやぁぁぁ・・・、あたしの休日がぁぁぁ・・・。
ナレーター:その恨みは作者で晴らしてください。くけけ、これでしばらくはネタ考えなくてもよくなったな。
K:ぬゎにか言ったかしら。
ナレーター:いえいえ、それでは皆さんごきげんよう。



                              戻る